最後の恋



デートなんて久しぶりすぎて、行く前からこんな調子だった私は、気合いが入りすぎていたからか11時の待ち合わせだというのに約束の場所に着いたのは10時20分。

つまり40分も早くに待ち合わせ場所へと着いてしまっていた。


それにしても早く着きすぎだ。

40分、何して時間をつぶしておこう。冬空の下そんなことをぼんやりと考えていた時だった。


「えっ!莉奈…さん?」


聞こえてきた声にハッとなって顔を上げる。

ウソ…なんで?



「はっ、早くない?椎名」


目の前にいたのはあの椎名だった。

そしていつも会社で見るような整えられた髪型ではなく無造作にゆるくセットされた髪型に、細身のジーンズ、ブラックのダッフルコートにグレーのマフラー。

お洒落にまとまった見た目にドキドキしながら驚いた私は一歩後ずさりしてしまっていた。


「いや、早いんは莉奈さんやん!?俺、11時って言いましたよね?あれ?もしかして10時って言いました?」



< 120 / 418 >

この作品をシェア

pagetop