最後の恋
何?
一瞬躊躇ったけれど、ずっと震え続ける携帯に私は意を決して出た。
「もしもし」
「あ、莉奈?」
「うん」
「今…大丈夫?」
気を使うようにそう聞かれると、なんとなく「うん」としか言えなかった。
「ごめん、また急に」
サトルの声を聞くと、不思議な気持ちになる。
落ち着くっていうか、懐かしくなるというか。
「この前も電話で言ったけど…やっぱり俺、どうしても…莉奈ともう一度やり直したいんだ」
「何言ってんの、この間も言ったでしょ?私達別れてもう二年だよ?遅いって」
言いながら、いろんな痛みが胸に走る。
今さらやり直せるわけないじゃん。
「都合良すぎない?ずっと付き合ってた私を捨ててサトルはあの時浮気相手を選んだんだよ?」
「それは分かってる…でも別れて気付いたんだ。やっぱり俺はお前じゃなきゃダメだってこと」
勝手なことばかりを口にするサトルに苛立ちながらも、別れて後悔していると言われると嫌な気持ちにはならなかった。
後悔してるんだ、サトル。
別の女と付き合って、それでやっぱり私が良かったって?
「勝手すぎるよ…」
「ごめん。でも、もう一回だけチャンスが欲しい。やり直してくれるなら、俺はすぐにでも莉奈と結婚したいと思ってるんだ」
えっ?結婚?