最後の恋
「明日仕事だよ?大丈夫?」
「大丈夫じゃーー…ないっす」
「えっ?」
「会いたいなー、会いたい会いたい!」
子供みたいに駄々をこねるような椎名の言葉に思わず笑ってしまう。
「ちょっとだけ会いに行ってもいい?」
「えっ?今から?」
「うん、あかん?」
こういう時、関西弁って卑怯だと思う。
可愛いさが引き立つっていうか。
「うーん…いいよ」
ほら、言っちゃったじゃん。
「えっ!ほんまにいいん?」
「いいよ」
「じゃあ行く!すぐ行く!待っててな!」
「はいはい」
私がそう言うとすぐに電話は切れてしまった。
ん?っていうか今から来るってどうすればいいんだろう。
外に出るべき?
いや、それは寒い。
じゃあ家に入れる?
それもちょっと早い気もする。
どうしよう。
考えていたその時だった。
ブーッブーッと携帯が震える。
えっ?椎名?
「はい」
「莉奈さーんマンションの前ついた!」
「えっ?もう?」
「うん!」
「えっ、あぁ…どうしよう。うち来る?このあたりお店とかないから駅前まで行かなきゃならないし」
「うん!行く!」
嬉しそうに答える椎名に部屋の番号を教えると、すぐにオートロックのインターホンが部屋に鳴り響いた。