最後の恋


「え!莉奈さん?めっちゃ綺麗やん!」


待ち合わせ予定の10分前。

まだ3時にはなっていなかったけど、約束していた待ち合わせ場所に着くと、椎名はもうすでに着いていて。


「ほんま綺麗!めっちゃ可愛い!」


近付いていく私に気付いた瞬間、恥ずかげもなく大きな声でそう言った。


「ちょっと声大きいってば」

照れくさくてそう答えたけど、本当は嬉しかった。

綺麗とか可愛いとかお世辞だとしてもこんな風に言われたら嬉しくなるものだ。



「じゃ、行こっか」

「うん」



自然と繋がる手と手。

こうして手を繋ぐことも、だんだん当たり前みたいになってきている。

椎名はいつも私の手を優しく握る。

あったかくて大きな手。繋いでいると、ここ数日の不安が少しだけ消えていくような気がした。


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