最後の恋
「昨日も一昨日も元気なかったし…何かあったんじゃないん?」
心配そうに私を見下ろす。
ダメ。
言っちゃダメだ。
だけど…抑えきれなかった。
「椎名、私と結婚する気ある?」
「えっ?」
「いや、今すぐとかじゃないよ?ただそういうことを考えて付き合ってるのかな?って」
言わなきゃよかったとすぐに後悔した。
困ってる。表情でそれが分かる。
「なーんてね、ビックリした?」
「あっ、いや…」
「うそうそ。結婚願望とか別にないから私」
明るく笑ってそう言った。
「ちょっと聞いてみたかっただけだから」
痛む胸の内を必死で隠して、私は笑った。
椎名は結婚なんてまだ意識していない。
そりゃそうだよね。
23だよ?付き合ってまだ日も浅い。
そりゃ意識するわけないよね。
頭では理解しようとしているのに心が苦しい。
キュッと締め付けられるみたいに痛い。