最後の恋


「あの、俺…」


椎名が何かを言いたそうに口を開こうとした。


「あ!私コーヒー飲みたい!そこのカフェ入ろうよ」


だけど言葉の続きを聞くのが怖くなった私は椎名の手を引いてすぐ近くにあったカフェに入った。


「ホットコーヒーふたつ」


店内に入って注文を済ませると、向かい合って座る私達の間には静かな空気が流れた。


聴こえてくるクリスマスソングのBGM。



ゆっくりと店内を見渡すと、週末のクリスマスイヴだからなのか周りにはカップルらしき男女がたくさん座っていた。


だけどきっと私達だけだ。

雰囲気が違う。

周りは笑っているのに、私達にはその笑顔がない。

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