最後の恋


翌日はあまり変わらなかった。

視線もヒソヒソ話も変わらないというよりは、少し増えたような気もした。

そしてその翌日、年内最後の仕事納めの日も、相変わらず痛い視線は変わらなかった。


まさか一年の終わりにこんなことになるなんて思ってもいなかったな…。


「松永…どうする?」

毎年恒例の仕事納めの飲み会にも誘われたけど。


「ごめん。今年はパス。今日の夜から実家帰るんだ」


本当は明日から実家に帰る予定なのに、そう言って…出席を断った。


だいたい今のこの状況で行けるわけないでしょ。

どんな空気になるのか…想像しただけで怖い。

< 206 / 418 >

この作品をシェア

pagetop