最後の恋


「ごめんね…」


来る度にいつもそんなことを思っていたなんて気付いていなかった。

ずっと気にしてたんだ…


「いや、謝ってほしいわけちゃうねん。必要ないんなら早く捨ててほしいと思ってるだけで」

「うん…」


必要ない。そう思ってはいる。

だけど…


「捨てられへん?」

「………」

「何でなんも言わんの?」

「………」

「捨てるんが申し訳ないなら俺が捨てよか?」


椎名はそう言うと、スッと立ち上がり紙袋を置いている場所まで近付いていった。



「必要ある?ない?」


そして紙袋を手にすると、再度私にそう聞いた。


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