最後の恋


「授業が終わった瞬間、泣きながらエリの席に行ったらサキも同じように泣きながら来てさ…三人でバカみたいにワンワン泣いたよね。泣いて泣いて…三人で最後は笑ったんだよね」


思い出すと、何だかまた視界が滲んできた。


「エリがあの時、私達三人を親友にしてくれたんだよ……エリがいたから、友達っていいな、友達って大切だなって感じることができたんだよ。エリがいたから……いつも楽しく笑っていられたんだよ。友達想いで、真っ直ぐで。曲がったことが嫌いで…自分をしっかり持ってる。そんなエリが……今でもずっと大好きです」


人生で、親友と呼べるような人に出会えたこと。

私はそれを、キセキだと思う。


何でも腹を割って話せる人。

一緒に笑うだけじゃない、一緒に怒ったり、泣くことができる人。

何も言わなくても、顔を見ただけで分かり合える人。

自分よりも、大切だと思える人。


そんな人に出会えることは、キセキなんだと思うんだ。

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