最後の恋


結婚式が終わり会場を出ると、もう空は暗く見上げると雪がちらついていた。


「寒いね」

「本当、脚すっごいやばい」


歩きながら、白い息がこぼれる。


そのまま二次会会場に向かい、サキと二人でそこでも受付を担当した。


二次会は、終始明るい雰囲気だった。

定番のビンゴゲームが始まったり、新郎新婦が各テーブルを回ってくれてゆっくり話をしたり。

笑顔溢れる、アットホームな良い二次会だった。



「本当に今日はありがとね」

「うん、こっちこそありがとう。すっごく楽しかったし幸せ気分分けてもらったよ」


帰り際、エリとそんな言葉をかわし二次会会場を出た私は、帰る方向の違うサキとは駅まで一緒に歩き、改札を抜けるとそこで別れた。


「じゃあまたね」

「うん、またね!」



笑顔でバイバイした私達。

だけど、電車に乗ってすぐにサキからメールが届いた。


【近々さ、エリが新婚旅行から帰ってきたらまた三人で集まろう。
その時ゆっくり話聞くからね。あ、でもいつでも電話しておいでよ?
何も出来ないかもしれないけど…莉奈を笑わせることならできるから】


電車に揺られながら、携帯電話をギュッと胸の前で握りしめた。


【ありがと、サキ。
いろいろ話したいことあるから、三人の集まりまで待てそうもなかったら先に電話しちゃうかも。絶対笑わせてよ?すべらない話を期待しておくね。]


メールを送信した私は、移り変わる景色をぼんやりと見つめながら、まだ降り止まない雪空にキュッと胸が締め付けられていた。
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