最後の恋
「ありがとうございました。それでは只今から花束贈呈にうつります。今日までの長いようで短かった日々。ご両親のご苦労、深い愛情に感謝し、これから二人手を取り合っての生活に、幸せを誓い合っての花束贈呈でございます」
ゆっくりと、後方の金屏風の前に立つ両家の両親の元へと進んでいく二人。
「皆様、盛大な拍手をお願いいたします」
そして、司会者の言葉と共に新郎新婦それぞれが泣きながら花束を渡しているのが涙でぼやける瞳の中に映った。
ありがとう、とお互いに言い合っているように見えたその光景に、胸がいっぱいになっていく。
親から子へ、子から親へ。
今までを振り返り、ありがとう、と感謝し合える結婚式。
大切なことを改めて感じ、そしてたくさんのことを教えてもらった、そんな結婚式だった。