流れ星
観覧車から先に降りた春達は、後から乗った美香達を待つ。
「…美香っ」
「春!ちゃんと……言えたみたい、ね?」
降りてくるなり、美香は春の顔を伺った。
落ち込んでいないことを確認すると、安心したように笑顔を見せた。
「美香のおかげだよっ。本当、本当にありがとううぅ」
「え、ちょ…春っ、目赤いってことは、さっきも泣いてたんでしょうがっ!泣き止みなよぉ」
「だ、だって……」
春の頭を撫でる美香。
「…やっぱ、そういうことか」
ぽつりと優太が呟いた。
すると、3人は揃って驚いたような表情になった。
「ゆ、優太。気付いてたのか?」
「はぁ…、当たり前だろ?あんな内緒話、俺だけに話さないってことはなんかあると思って」
春が俺のことを好きなのは流石に知らなかったけど…。
観覧車に乗る時に2組になったとこからは、正直期待してた。
それと、2人きりであの雰囲気にされたら…な。
もう、言うしかないだろ?
「まぁ、計画は成功したんだし!そろそろ帰ろっか。由紀と井上famさーん?」
「ちょ、なんだよその呼び名っ」
「あははっ、ダメ?」
「末長く幸せになー、井上fam」
「由紀まで!な、なんか恥ずかしいからやめてよおぉっ」
なんだかんだで、美香の思い付きで立てられた“告白しちゃおうぜ作戦”は、無事終わりを告げた。
今日から私と優太は、恋人同士−−−。