ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あきら君に何を言われたのかわかんないんだけど・・・・・・私、全然迷惑とかそんなことないし、抱きしめてくれたり手を繋いでくれたことも嬉しかったし・・・・・・何が言いたいかよくわからないけど、片桐さんとはこれからも仲良くしたい・・・・・・」
震える手をもう片方の手で押さえる。
失いたくないと心から思った。
片桐さんと会えなくなるくらいなら、一生妹を演じ続けることだってできる。
そう思ったんだ。
「そっか。ありがとな。あきら・・・・・・大丈夫かな。アイツともちゃんと話してやってよ」
あきら君には彼女ができた、と言おうと思ったけどやめた。
片桐さんとしては、私とあきら君がくっついて欲しいんだもんね。
「また・・・・・・店に来てくれる?」
「当たり前じゃん。来るよ。すぐに来る」
「みゆきさんと・・・・・・うまく行くように頑張ってね」
またこんなことを言ってしまう自分が情けない。
でも、私は私だもん。
不器用だけど、これが私。
「おう」
無理して笑顔を作った片桐さん。
目尻のしわが好きだった。
大好きで大好きで、
今この瞬間もどんどん好きになっていて。
辛くて苦しくて、
息ができないくらいドキドキしているのに、この想いは届かない。