水晶の涙




「皆、こんにちは!」



私が笑いながらしゃがんで言うと

『…――』『―――!』と、皆はそれぞれの声で返事をしてくれた。


…その光景は、見る人からしたら悍ましくて恐ろしいものかもしれない。


けれど、私はそうは思わない。

だって、彼らはこんなにも―――。



「ね、聞いて!今日は新しく通う学校の入学式があったんだけど、そこで新しい友達が出来たんだ!その子はカイ君っていうんだけど、とっても優しそうな男の子なんだよ?」


「…クルルゥ!」


「―――?」


「…―――」



…こんなにも
可愛くて愛しくて堪らないんだもの。



「…あ、しぃちゃんの背中…穴が空いて綿が出てる!」


「―――?」



しぃちゃん。と言うのは

私がつけたうさぎのぬいぐるみの名前だ。


…皆には名前がないから。

皆、纏めて『悪魔』と呼ばれているだけだから、ちゃんとした名前はない。


だから、私が名前をつけた。





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