水晶の涙




「では皆さん、自分の持っている 持ち石 を全部机の上に出して下さーい!」



ユリ先生の言葉に、皆は一斉にスカートやズボンのポケットから小さな何かを机の上に出し始めた。



「…カイ君の石、炎みたいだね。赤くて透き通ってて、とっても綺麗……」



先生の言う 石 って言うのは、そこらの道端に落ちてる石とは全く違う。


カイ君の持っている石のように、生き生きと真から輝く様な…そんな石の事だ。



「だろ?ルビーって名前の石」



カイ君がポケットから出したのは、3センチ程の球体をした真っ赤な石。



「ルビー、かぁ…」



カイ君の 持ち石 であるルビーを見ていると、心が暖かくなるような…。

そんな感じがした。



「アリアの持ち石は?」


「私のはね……これだよ」


カイ君と同様、ポケットに手を突っ込んで私が取り出したのは…。


どこまでも透き通る、透明な石だ。





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