水晶の涙
「…クリスタル、か?」
「うん」
カイ君の言葉に頷く。
これは、私の 持ち石 …つまり
私だけの、自分だけの石のこと。
私の持ち石はクリスタル。
別名、水晶だ。
「…綺麗だな。凄く透き通ってて、汚れや混じり気が全くない」
綺麗だと
自分の持ち石を褒められ素直に嬉しくなり「ありがとう」と微笑んだ。
「はい、じゃー私のラリマーで持ち石の浄化能力を見て回りますので、呉呉も石を割らない様にして下さいねー」
ラリマー と言うのは、多分ユリ先生が手にしている水色の石の事だと思う。
ユリ先生はラリマーを片手に、一番端の席の生徒に近づいた
「えーと、貴女の石は…チャロアイトね。別名チャロ石で合ってる?」
「は…はい」
チャロアイト…と言う薄い紫色をした石が持ち石の女の子は、少し緊張した様子で小さく何度か頷いた。