三階廊下

私は親と女友達以外で初めて“遥香”と呼ばれた。恥ずかしくて余計に顔が赤くなった。

なのに田渕先生はそんな私に気付かずに話を続けていた。


「遥香と二人で喋るのは初めてだなー。
俺ヲタクっぽいっしょ?だからあんまり話しかけられないんだよね。

でもさ、本当にヲタクなんだぜー実はな。


…内緒だぞ?」



少しの沈黙の後、私は吹き出した。だって田渕先生の顔がだんだん真っ赤になってたから。

だんだん可愛く見えてきた先生が夕日に照らされてた。


その時。
いきなり先生がひらめいたように手を叩いた。


< 15 / 59 >

この作品をシェア

pagetop