三階廊下
「これでも貼っときやがれっ!!」
そう言って田渕先生は私の頬に絆創膏を貼った。私は驚いた顔で先生を見た。
そんな私の顔を見て、今度は先生が吹き出した。そしてまた私の頭をくしゃっとした。
「遥香、なんかあったしょ?元気なかったの分かってたんだからな。」
先生はそう言って私の顔を覗き込んできた。私は不思議でたまらなかった。
「…な、何で分かったの?」
私がそう言うと先生は教室の窓をトンっと叩いた。
「遥香さ、この教室でいつも外見てたしょ?その度に震えた声で“ストライク”とか呟いてたし。
みんなの前だったらいつも元気なのにって、ずっと気になってた。」
田渕先生の言葉は私の胸を優しく癒してくれた。本当に嬉しかった。
自分のことを影で気にしてくれた人が居たなんてって思ってた。
こんなに胸が熱くなったのは久々だった。