三階廊下
田渕先生はさっきからずっと外を見てる。私はそんな先生の隣で一緒に外を見てた。
先生と話した数分の時間は隆平を忘れられたから、ずーっと話していたかった。
外も暗くなってきた頃、先生は部活へ戻ろうとしていた。
先生はバスケ部、私は美術部。活動場所は全然違う。
私は嫌で田渕先生を引き止めた。
「…たっ、田渕先生っ!!」
そう言った私に先生はゆっくりと近づいてきて、私の頬を二回人差し指で叩いた。
「絆創膏あげたしょ?それは遥香の傷を治すために貼ったんだからなぁーっ!!
…また何かあったら言えよ。俺がいつでも何回でも貼ってやるから。」
先生はそう言って教室を出て行った。
私は先生が去った後の教室で立ち尽くしていた。そして自分の頬を触って絆創膏を確かめた。