問題山積み
それを生れつき太りにくい体質の人にぶつけるのが、お門違いなんだ。
分かっちゃいるけど、でも、やっぱり何の努力もなくその細い身体を保つことができているのは心底羨ましい。
大きな皿の上に、私は少しずつ、沢山の種類のケーキを乗せていく。
スポンジが大好きだから、ショートケーキはちょっと多め。
愛里ちゃんの皿に目をやると、愛里ちゃんの皿の上ではひしめき合うようにケーキがどっさり。
バイキングって、食べる時も楽しいけど、こうやって選んでいる時も楽しいよね。
私達はそれぞれ真剣に吟味して、食べるものを取っていく。
何分、皿は大きくても案外食べたいもの全ては乗り切らないのだ。
何度もカウンターに取りに行くのは、面倒だしさ。
そうして二人でようやく席に戻って、「いただきまーす」と手をあわせた。


「おいしーい!」


モンブランを一口食べた愛里ちゃんが、顔を綻ばせる。
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