開国維新の洋魔戦記

九尾

手代木は妹の連れ去られた方角に歩いていた。


さっき程から、彼の後を付けている男がいるのに気づいた。


『ちょっとやってやるか』



手代木は小さな街に入ると角を曲がって物陰に身を潜めた。


敵は見失わないように走って来るはずだ。


そこを物陰に隠れて待ち伏せて切りかかる。


昔、京都でやっていた手法だ。


後をつけていた奴はなかなか現れ無かった。


壁の向こうで刀を抜く音が聞こえた。


『しまった』


手代木は壁から身を離したが、壁を突き抜けた刀で腹を刺された。

< 13 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop