暗がりの夜だから


―…「…星屑がきれいな、月明かりの下で。またここで、会おう。」

考えまで幼かったあの頃の俺は、次の日にでもまた彼女に会えると思っていた。

彼女の抱えた悲しみは、一晩泣けば消えゆくものだと―…。


次の日の夜も、空に散りばめられた星屑はきれいで、月明かりが俺の頬に伝う涙を照らしたが―…

彼女は、現れなかった。

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