天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ
しかし。

「丹下君」

何と可憐な。

月は花のように微笑む。

微笑みながら。

「ここがどこかわかってらして?」

「あん?」

キョロキョロと辺りを見回す龍太郎。

「生徒会室?」

「ご名答。ここは生徒会室。つまり私の領域なのです。私が指を鳴らせば、息のかかった生徒会役員がすぐに駆け込んできますし、この生徒会室で起きる事は全て『天神学園校則の外』の事です。たとえ教員の方々や完璧超人でさえ手を出す事はできません、そう…」

コロコロと。

月がとてもいい笑顔を浮かべる。

「この部屋の外に、フルボッコの悲鳴が漏れたとしても…」

「ぎ…」

生徒会室の外に。

「ぎゃあぁぁあぁああぁあぁぁあぁっ!」

スペシャルバカの悲鳴が漏れる。

一体中で何が起きたのか。

その光景と『例の写真』の情報は。

「ひぃいぃぃいっ…」

盗み見ていた黒部 美葉(くろべ みよう)だけが知っていた…。

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