ハーレム ブラッド
「あら、まだ残ってたの?」


桂木が言う。

「先生は何で教室に?」

「私はさっき無くなりそうだったから、チョークの補充に来たの。


皆は何で残ってるの?」


「テストという現実にうちひしがれてるんです、二人とも。」

「確か…あまり良くはなかったと思うけどまだ2週間あるし、頑張りましょう?」

「今までも頑張ってはいたのよ…」

「やる気がでない〜。」

二人がうなだれる。


「岡田君が教えてあげたらどう?」

桂木が言う。

「いや、俺も平均点くらいの点数ですから教えれるほどじゃ…」

「でもやらないよりは良いと思うけど…」



「だったら桂木先生が教えてあげてはどうですか?」

咲子がやって来た。

「お前…学校に私服で堂々と…」


「それよりも、良い考えではないですか?」


「でも…個人的にそういうことをするのは…」


「先生…

授業でわからなかったところを訊いて教えてもらうのはありですよね?」

幸大が言う。


「ええ…」

「その延長線上ってことで…なんとか。


先生に教えてもらうんじゃなくてあくまで俺たちの質問に答えてもらうのは?」


「えっと…

平日は学校があるから、土日なら…


あ、でもちゃんと自分達でも勉強はしてね?」

「それはもちろんです。」
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