ハーレム ブラッド
放課後


「私、先生に呼ばれてるから帰るの待ってて。」

姫野が言う。

「何で俺がお前と帰るんだよ…」


「あんた、気づいてた?」

「何をだよ…」

「山下さんがあんたをチラチラと見てたわ。

まぁ…その理由に確証はないけど、おそらく私があんたから血をもらったって気づいてるわ。」


「そりゃ、お前が急に俺に付きまとい始めたからな。」

「つまり、自分が吸血鬼だからって騒がれる必要もないし、あわよくばあんたから血をもらおうって思ってるわね。」


「お前が原因だろうが…」

「絶対に血をあげちゃダメよ?

それから能力のこともバレないようにしなさい。

一人の帰り道は危険だから待ってて。

じゃ、すぐに戻ってくるわ。」


「勝手な…」




少しして…

「あれ?

まだ残ってたんだ…」

クーニャがやって来た。

「山下…。」

「教室に人影が見えたから誰かとおもっちゃった。」

「…。」

「そう言えば、榊さんと仲良しなんだね…

榊さんとはどういう関け…」

「はぁ…」

幸大がクーニャの言葉を遮るように溜め息を吐く。

「山下…

遠回しに言わなくても良いさ。

榊から聞いてるよ。

吸血鬼。」
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