ハーレム ブラッド
「つまり、身体の痛みは筋肉痛のようなモノだと?」

幸大が言う。

「そのとーり!」

榊パパが言う。

「…。」

「ところで、君の能力についてなんだが…」

榊パパが真面目な顔をする。

「何か?」

「ああ、いや。

何か問題があるという話ではなく。

以前、他の吸血鬼には内密にと言っただろう?」

「はい。

吸血鬼が群がるからって。」

「だが、今回のように君は吸血鬼との縁が深い。

吸血鬼同士の争いで命を落とす可能性も高い。

それは解るね?」

「はい。」

「だが、もし君の能力を公にすれば…

確かに、君自身を狙う者が大量に現れるだろう。

でも…誰一人君の命を奪おうとしない。」

「まぁ…吸血鬼にとっては夢のような能力ですから。」

「君さえ良ければ、VAPは君のバックアップを全力で…」


「いや。

良いんです。

今のままで…」

「しかし…」

「こいつらに…」

「ん?」

榊パパが言う。

「こいつらに血をあげるのすらめんどくさいんです。

だから…他の吸血鬼に吸われる可能性が高くなるのは面倒です。」


「岡田君…

血を吸われるの嫌だったの?」

桂木が泣きそうな顔で言う。

「いや…違いますって。」

「じゃあ…他に理由があるのかしら?」

姫野が言う。

「そりゃ…お前ら以外に血をやりたく…」

ばっ!

幸大が口を押さえて姫野を見る。

「実は幸大君が寝てる間に沙羅ちゃんが血を吸ったんだよ。」

クーニャが言う。

「そ、その…すみません。」

沙羅が言う。
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