ハーレム ブラッド

大切

12月21日

夜


「ＶＡＰの榊主任ですね？」

榊パパが黒服の男たちに囲まれた。

「何だね？

私に用なら日を改めてＶＡＰの受付に…」


「いえ…個人的なことなので。」

「個人的？」

「あなたには大きな獲物を獲るためのエサを獲るためのエサになってほしいんですよ。」

「回りくどい言い方だね…」

「つまり、貴方はエビです。

私たちはエビで鯛を釣り…そして鯛で鯨を釣り…そしてその鯨を有効活用する。


お分かりですか？」

「ふむ…

私があまりよくない状況にいるのはわかった。」

榊主任が溜め息を吐く。


「逆らわない方が身のためです。

我々も吸血鬼です。


しかも、先ほど血を吸ってきたばかりの…ね。」


「それでも…逆らわねばならんだろう？」


「ならば…」

ギンッ！

赤と青のいくつもの瞳が榊パパを睨む。


「ふんっ！」

ギンッ！

榊パパの鮮血の眼が光った。