ハーレム ブラッド
「榊さん…

何かあってからでは…どころか…今、起きましたよ。」

『何!?』


部屋には数人の男たちが入ってきた。

「人の家に土足とは礼儀知らずですね。」

咲子が言う。


「あなたが吸血鬼の王ですね?」

男が言う。

「だったら?」

幸大が言う。


その瞬間…


プシューッ!

男たちが床に缶を投げると煙が吹き出した。


「な!?」

幸大たちが口を塞ぐ。

男たちはガスマスクをする。


「くっ…そ…」

マリアが眠る。

「う…」

沙羅も眠る。


次々と眠り…

「くそ…」

ドサッ…

幸大も眠る。


「よし、運べ。


彼は王だ。

丁重に扱え。」

「はい。」

男たちが幸大を運ぶ。

『幸大が気絶してしまえば…能力が使えなくなるのか…

能力を使えねば…戦えぬとは不便なモノだ…』

6人が眠る部屋でヴァンが言う。


『もしもし!?

幸大君!』

携帯から榊パパが呼び掛ける。


『聞こえるか?

余はヴァンだ。』

『吸血鬼の王…』

『元…だ。

今の私は侵入者一人も倒せぬ。』

『一体何が?』

『幸大が連れ去られた。

詳しくは幸大のアパート…いや、マンションか。

とにかく来い。

場所はわかるな?』

『前に聞いたことがある。』

『お前の娘も眠っている。

他の者もな。』


『すぐに向かう。』
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