シンクロニシティー


「レイジ、私ほんとに今日用事が……」

「ああ、はいはい。すぐ済むから、いいから乗れ」

 また言い張ってみたけれど、見え透いた嘘なんか軽く流され、助手席へ強引に押し込まれた。



 そうして車を20分ほど走らせて、連れて来られたのはラブホテル。

 すぐ済むなんて嘘じゃん。
 ガッツリ2時間は帰して貰えないコースじゃん。


「レイジ、お金持ってんの? 私持ってないよ」

「有るわ、そんぐらい。バカにしやがって」

 いつもに増して機嫌の悪いレイジは、不満げに眉根を寄せて言い、チッと舌まで鳴らした。


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