シンクロニシティー


 シュウはその場に立ったまま、私をそっと抱き締めた。
 途端、私の中で何かが弾けた。


 シュウのお腹に顔を埋めて、大声で泣きじゃくった。
 シュウは、私の背中を優しくさすってくれた。



「コト、帰りたくないの? でも――」

「あの家に帰るぐらいなら、生きたくない、死にたい」

「『いきたくない』って、そっちかぁ……」

 シュウは切なげに、独り言のように呟いた。
 そうして、私の頭を撫でながら更に続けた。



「コト、家(ウチ)においで。コトに死なれたら困るし。お母さんには僕から話しとく」


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