シンクロニシティー
「嫌だ、助けて、シュウ!」

神崎の腕の中で、必死にもがきながら泣き叫んだ。



「待って」

シュウが神崎の肩を掴んで引き、振り返らせた。その一瞬の隙をついて、神崎の拘束から抜け出し、シュウの背後へ回り込んで身を潜める。



「コトは幸せにする。絶対に」

シュウは穏やかな優しい声で、頑なな決意を告げた。


胸が押し潰されそうな恐怖と不安の中、それがただ嬉しくて……。

シュウの背中のシャツを両手で握り締めて瞼を伏せたら、両の頬を勢いよく雫が滑り落ちた。



「あんま笑かすなよ、榑林ぃー。お前が関わった女が、その後どうなったか、まさかお前、知らない訳じゃねーだろ?」

失笑混じりにそう言うと、神崎は意味深な薄笑いを浮かべた。


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