シンクロニシティー
殺してやりたい――

――本気でそう思った。



グッと下唇を噛みしめて、神崎への殺意を堪える。自分の血の味が口内を満たして、また気持ち悪くなった。



「僕たちは……」

シュウが弱々しく口を開いた。けれど、それ以上続けられず、キュッと唇を結ぶ。



「何も言い返せねーだろ? 図星だもんなぁ」

神崎は勝ち誇ったようにほくそ笑み、そして更に続ける。


「お前はあの頃となんも変わってねーな、榑林。良かれと思ってやることが、とことん裏目に出て女を不幸にするとこなんか、まんまじゃねーか。

潔く俺に渡せ。それが矢野内にとってもお前にとっても、結果的に幸せになれる最善の選択なんだからよ」

言いながら、巻き込むように私の肩を抱き、強引にシュウの部屋から連れ出そうとする。



「放してよっ!」

その腕を振り払って、逃げようと一歩踏み出したところで、すかさず背後から抱きすくめられた。そうしてズルズルと出口へ向かって引きずられて行く。


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