シンクロニシティー
「待って!」

シュウが叫び、神崎はヒタと足を止める。



「もしかしたら……あの頃の僕は、彼女たちを救いたいって、心のどこかでは思ってたかも知れない。でも当然だけど、僕なんかじゃどうにもできなくて」


「だから見捨てた」


「違う! 諦めたんだ。諦めてしまった」


後悔の念が込められたシュウの言葉に、胸がズキリと痛んだ。



「はいはい、見捨てたんじゃない、諦めたんだね。どうでもいいわ」

神崎は面倒臭そうに吐き捨て、再び部屋の出口へ向かう。



「待って。コトのことは救いたいとか、そんなんじゃない。ただ、一緒に居たい、それだけだ。僕は――

コトの傍に居たい」


「お前、半分血の繋がった妹のこと『愛してる』とでも言うつもりか? そんなもんなぁ、愛なんかじゃねーよ。気付いてねぇみたいだから教えてやるけどなぁ、お前は自分しか愛せねぇんだ。生粋のナルシストだもんな。哀れだね」


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