シンクロニシティー


 その時、インターホンの音が高らかに鳴り響き、シュウの顔がサーッと青ざめたように見えた。


「コト、忘れないで。
 どんな時も、何があっても、僕はコトの味方だよ。
 絶対に忘れないで」

 立ち上がりながら酷く早口で囁いて、そうしてシュウは玄関へ向かった。



 ソファーに腰掛けたままじっとして、手の平の上の貰ったばかりの鍵をぼんやり眺めていた。



「シュウヤさん、話が違うじゃない!
 どういうつもりなの?」

 玄関から聞こえてきた、女のヒステリックな叫び声に、全身の毛がザッと逆立つような不快感に襲われた。

 嫌になるほど聞き慣れた、吐きそうになるほど耳障りなそれ。


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