シンクロニシティー


 ジリジリと焦げ付きそうなほどの日差しが、運動場を容赦なく照りつけていた。
 窓から見えるそんな光景にうっかり視線をやってしまい、見るんじゃなかったという後悔に顔を顰める。


 暑いなー。
 早く夏休み来ないかなぁ。


 ナッチは未だ機関銃の様に喋り続けている。

 早く先生来てホームルーム始まらないかなぁ……
 ふと脳裏をかすめた本心に自分自身が驚いて、慌ててそれを掻き消した。


 私って何の為に生きているんだろう。
 どうしてここに存在しているんだろう。

 他事を考えようとすると、必ず頭に浮かんで来る疑問。
 ああ、嫌だ。



「矢野内さん」

 不意に声を掛けられた。


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