シンクロニシティー


「ああ、ほんとだ。一日中外に居たから、かな?」

 曖昧に返せば「このクソ暑いのに、何やってたの?」と興味津々でナッチが聞く。


「ええっと、特に何も。フラフラと彷徨ってた。家に居たくなくて」

 何となくシュウのことは話したくなかった。
 誰の目にも触れさせず、私の中だけに大切にしまっておきたい、そんな感じ。


「ふうん。そこまでして家に居たくないか」

 キャハハッと、ナッチは甲高い笑い声を上げた。
 何が可笑しかったんだろう。


 ナッチは大切な友達だ。
 けれど、私はこのハイテンションにはついていけず、いつも置いてけぼりを食らっているような気持ちになる。


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