色をなくした世界
「雪乃ちゃんが生きているのは・・・誰が何と言おうとお前のおかげだよ。お前が生かしてここまで連れてきた」


頑張ったなと続ければ・・・耐えられなくなったのか、雄大は泣き出した。


「でも・・・俺・・・・そんな雪ちゃんを・・・」



酷い言葉で傷つけ、裏切った。



「だったら・・・・きちんと謝ってから行け。最後まで面倒見てやれよ?何も言わずにいなくなられるのは・・・辛いぞ?」



優しい雪乃のことだ。今何も言わず雄大が去れば・・・・自分を責める。



そんな雪乃だから雄大も好きになったのだろう。



雄大と雪乃が仲が良いのは面白くなかったが・・・いつかは二人がくっつけば良いと青山は思っていた分・・・この結末は辛いものだった。




「三日後に立っても良い。ただ・・・あの子に何か言葉を残してから去ってやれ。じゃなきゃ俺はお前を九州には送らない」



公私混同だとは分かっているが・・・・これ以上雪乃が傷つくのは青山も見たくはなかった。



分かったな?と念を押せば、雄大は確かに頷いた。
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