色をなくした世界
雪乃は夢を見ていた・・・。



楽しかったころの夢。


まだ和哉がいて、梓がいて・・・・雄大が側で笑っている頃の夢だ。


「和君・・・・雄大君は誰か好きな子いないの?」



梓と雄大が飲み物を買いに行っている間に、雪乃は和哉に聞いた。



「うーん・・・何で?」


雪乃の頭を撫ぜながら、和哉は優しそうに雪乃を見た。


「聞いて来てって頼まれたの。同じサークルの蘭ちゃんに・・・・ほら雄大君モテるのに彼女いないでしょ?だから忘れられない人がいるんじゃないかって」


その時和哉がすごく悲しそうな顔をしたので・・・噂が当たっているんだと思い、雪乃はそれ以上聞けなかった。


ただ和哉が呟いた言葉は覚えている。



「・・・・雄大は優しすぎるんだよ・・・」



まるで自分を責めるような和哉に、雪乃は思わず抱き着いた。



その時雄大達が帰ってきて・・・その場がすごく明るくなったのだ。


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