色をなくした世界
また場面が変わる。



これは・・・マリッジブルーになり、和哉と大喧嘩した日だ。



学生結婚に不安もあり、周りからは「今しなくても・・・」と言われ雪乃は落ち込んでいた。



そんな時式の事で揉めて・・・その頃はもう一緒に住んでいた部屋を飛び出し、梓の家に転がり込んだ。



家に帰れば父が喜んで「結婚をやめよう」と言うのが目に見えていた為もある・・・。



「アズ・・・もう・・・・どうしよう・・・・」



そう泣いていると・・・・雄大から電話がかかってきたのだ。


滅多にかかってこない雄大からの電話に何かあったのかと思い、急いで出れば・・・



「もしもし雪ちゃん?」



のんびりとした雄大の声が聞こえる。



「雄大君?どうしたの?」



・・・・和君に何かあった?とは聞かなくても、雄大の声から分かる。



何かあればこんなにのんびりはしていないだろう。



「引き取りお願いします」


そう言うと居酒屋の場所だけ言って切ってしまう。
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