色をなくした世界
どれくらいの沈黙が流れただろう・・・・



口を開いたのは・・・一馬だった。



「雪乃の気持ちは何となく知っていたよ・・・・だから雪乃が泣くな」



雪乃は真っ直ぐ一馬を見ながら泣いている。



「俺も雪乃といるのは居心地が良かったよ・・・本当に安らげた」



でも時々どうしようもなく寂しくなった。そんな時自分たち二人は・・・傷をなめあう事しかできなかった。



「雪乃の側には・・・いつだって死んだ夫ともう一人いたよな・・・」



一馬といる時も・・・いつだって・・・そこには・・・雄大がいた。



「だから・・・雄大の元に行きなよ・・・幸せに・・・」



そう言うと、雪乃は声をあげて泣き出した。



そんな雪乃をこれが最後だと・・・一馬は抱きしめる。
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