色をなくした世界
家に帰れば・・・梓がいた。


「アズ・・・今ちょっと良い?」


リビングで持ち込んだ仕事をしている梓に声をかければ、すぐに頷いてくれた。


「どうした?」


パソコンを片づけながら、ソファーを開けてくれる梓に、「仕事は大丈夫?」と聞けば、もう飽きたから良いと返ってくる。


「今日・・・一馬に会ってきたんだ」


雪乃が帰りに買ってきたプリンを梓に渡す。


「そうなんだ。・・・答えは出たの?」



この3年雪乃が悩み続けていたのを知っている。ずっと側で見てきたのだから・・・。



梓がもらったプリンを食べながら聞けば、雪乃が頷く。


「一馬とは付き合わない」



その答えが出るだろう事は知っていた・・・・。いつだって雪乃は雄大を探していたから・・・。


梓がプリンと一緒にもらったお茶を飲む。



「私・・・雄大君に会いたいよ・・・」



梓はソファーの上で雪乃を自分方に向かせた。


このソファーは・・・雪乃が和哉と暮らした家から持ってきた、たった一つのものだった。


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