色をなくした世界
雪乃達の住む町は桜で有名な所だった為、この季節歩けばどこも桜が咲き乱れている。



「凄い綺麗な桜だなぁ・・・・」


スーパーでの買い物をすませ、雪乃は上を見ながら歩いていた。



袋の中には、サンドイッチとプリン、ジュースにお菓子と梓の好きな物ばかりだった。



ずっと心配をかけていたので・・・恩返しもかねて買ってみれば・・・持つのが重いくらいになっている。



「いつの間にか満開になってるんだもんな・・・・」



雄大に手紙を出した頃は、桜の季節までまだあったのに・・・・。



そう思っていると、前からベビーカーと子どもを連れたお母さんとすれ違う。



たまに公園で遊ばせている所を見る、同じアパートに住むお隣さんだった。



「こんにちは」



雪乃が声をかければ、向こうも気付いたのか笑顔であいさつしてくれる。



「こんにちは。桜綺麗ですね」



「お姉ちゃん!!こんにちは」



元気に挨拶するのは和也君という4歳の男の子。



字は違う者の、和哉と同じ名前の男の子だった。
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