色をなくした世界
「いつもいつもうちの和也が騒がしくして・・・うるさくないですか?」


申し訳ないと東原が謝ってくる。



確かに元気な和也君・・時々声が響くが、雪乃も梓も微笑ましく聞いていた。



「全然大丈夫ですよ!!!私たちの方こそ・・・夜中に帰って来たりもするので・・・うるさくないですか?」



仕事上夜中に帰ってきてシャワーを浴びる事もある・・・。



申し訳ないと謝れば、東原も大丈夫ですよ?と声をかけてくれる。



その時・・・



「あっ・・・帽子が・・・」



和也の被っていた帽子が風に飛ばされ、車道の方に行ってしまった。



それを和也が母の手を離し、取りに行ったのだ。



スローモーションのようだった・・・。


車が来るのが見える・・・。



東原が叫ぶのが聞こえる・・・。




雪乃の体は動いていた・・・。




(あぁ和君・・・あの時和君もこんな感じだったのね・・・・)




そう思ったのが最後の記憶だった・・・・。
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