色をなくした世界
散々二人で騒ぐと、いつの間にか空が明るくなってきていた。



「雪が騒ぐから…朝になっちゃった」



口を尖らせながら、人のせいにする梓の頭を雪乃が叩く。



「あずのせいでしょ…ってか少しでも寝ないと朝がキツいから寝るよ」



声をかけ、雪乃は布団を敷く。



お客様用にと買ったものだった為、二人で寝るには少し狭いが…文句も言ってられない。



「雪…狭い。向こう行って」



いつの間にか布団に潜り込んだ梓に雪乃は蹴られる。



「あずこそもっとそっち行ってよ」



負けずに雪乃も蹴り返すが梓はビクとも動かない。



結局いつも雪乃が負け、梓が希望を通すのだ。



昔から変わらない自分たちに、雪乃は小さくため息をつくが…引っ越しの準備で疲れていたのだろう。



すぐに眠りに落ちていった。
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