色をなくした世界
雪乃や雄大の気持ちを置き去りにするかのように、忘年会の日はあっという間に来た。


春日谷も今日の忘年会に顔を出し、年明けから本社勤務と決まった。


「雄大君?今日の場所分かる?」


雪乃が地図を見ながら雄大に場所を聞いてきた。


「あぁ!!毎年そこだから分かるよ!一緒に行く?」


場所に不安のあった雪乃は安心したように雄大に頼む。


「良いの?助かる!私方向音痴だからさ・・・」


「知ってる!だから誘った」


雪乃の方向音痴を知るくらい雄大は雪乃の側にいた。


雪乃も雪乃で雄大の優しさを実感できるくらい雄大の側にいる。


「ありがとう・・・もう雄大君はからかってばっかりなんだから・・・」


和哉以外に雪乃が頼る事ができるのは雄大だけ。


その事に雪乃は気付いていなかった。嫌・・・気付かないふりをしていた。


もう恋はしない。大切な人は作らない。そう心に決めていた為・・・。


「じゃぁ一回家帰ってから、駅前集合で!」


そこまでなら迷わずこれるだろう?そう聞けば、当たり前だと雪乃のパンチが飛んできた。
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