色をなくした世界
一度家に帰り梓に忘年会に行くと伝え、駅に行ってみれば雄大はもう待っていた。


会社使用の服装と違い、今日の雄大の服装は少しだけ幼く、雄大の好きなメーカーのものだった。


遠くから雄大を見つけるとついつい見入ってしまう。


(雄大君って・・・カッコいいんだよね・・・・)


昔から雪乃の周りにも雄大は大人気だった。


しかしどの子が言い寄っても雄大は付き合う事はせず、そのせいか雄大には忘れられない恋人がいる説が流れていた。


雄大君にも・・・忘れられない人がいるのかな・・・。


-ズキン-


胸が痛む。


その痛みが和哉を忘れられない自分を重ねてのものか、雄大に忘れられない人がいる為なのか・・・分からなかった。


ボーっと立っていた雪乃を雄大が見つけ駆け寄ってくる。


「小さくて見えなかった!!来てるなら連絡しろよ」


よく迷わずこれたなと飴を出してくれる。完全に・・・初めてのお使い状態である。


「駅前なら大丈夫って言ったでしょ」


さっきの胸の痛みはどこかに消え、雪乃の顔にも笑顔が戻る。
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