色をなくした世界
「そうだったな。じゃぁ行くか」


駅前は忘年会シーズンな為人だらけ。雄大はとりあえず俺の鞄でも掴んでてと言うと、雪乃の歩幅に合わせ歩き出した。


雪乃たちが店に着くと、まだ開始前にも関わらず社長や青山さんは出来上がっていた。


初めての忘年会にこんなものなの?そう雄大に聞けば、毎年こんなもんだと諦めたような返事が返ってくる。


「雪乃ちゃん!!やっと来たか・・・ほらこっちにお出で」


社長と青山さんの間に雪乃は座ることになった。



始まりから飲んでいた社長と青山さんは途中から部下相手に説教を始めた為、雪乃は席を離れ雄大の方へと向かった。


「雄大君!飲んでる?」


雪乃の声に振り向き雄大は少しだけ驚く。


「雪ちゃん・・・結構飲んだ?」


どれだけ飲んでも赤くならなかった雪乃の顔が真っ赤になっていた。


「ビール2杯とカクテル2杯くらいだよ?」


焼酎を雄大と二人で開ける事もあった雪乃・・・その時でも顔は赤くならなかったのに?大丈夫なの?と聞こうとした瞬間・・・雪乃の目が扉から動かなくなった。


「・・・・・・・一馬」


雄大の声は雪乃には届かない。


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