色をなくした世界
「旦那さんに怒られるんじゃない?」


その瞬間雪乃の時間も、雄大の時間も、二人を見ていた周りの者の時間も・・・すべてが止まった。


「お前・・・・!」


一番早く覚醒したのは雄大だった。急いで一馬を和から離すと、簡単に雪乃の状況を説明した。


しかしこの男に常識は存在しなかった・・・。皆が引きつっている所に、さらに爆弾を落とす。


「じゃぁ何で結婚指輪してるの?」


雪乃は咄嗟に指輪を触り、雄大は今度こそ何も言えなくなった。周りも二人を見ているだけだ。


どこかで・・・雪乃が結婚指輪を外さない事に疑問があったのもある。


「さっき一瞬苗字言い間違えたよね?って事は旧姓に戻ってるんでしょ?」


その通りである。雪乃は何も言えず下を向く。


「だったら指輪も外せば?なんで外さないの?」


雪乃の中で何かが切れた。


「何であなたにそんな事言われなきゃならないの?」


一馬を思いっきり睨みながら、手だけは指輪を守るように触っている。


「だって気になるじゃん!」


「気になったら何でも聞いて良いって言うの?」


雪乃がそれはないんじゃない?と言えば、一馬からは更に辛辣な言葉が返ってくる。
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