色をなくした世界
その後家でもゆっくり休養を取り、雪乃は年が明けて初めての出社の日を迎えた。


心配性な雄大が今日は家まで迎えに来てくれるらしいので、時間まで雪乃は家事をして待つ。


そんな雪乃の姿に梓も頬が緩むが・・・雪乃のある一点を見て動きが止まった。


「雪・・・・指輪・・・」


言葉に出すつもりはなかったのに、つい出てしまった言葉。


そう雪乃の指に、ずっと指定席の様についていた結婚指輪が・・・外れていた。


梓の声にハッと振り返り、梓が指を見ている事に気付くと・・・雪乃は少しだけ寂しそうに指を触りながらも笑い返す。


「外したの。新しい一年の始まりだからね・・・ちょうど良いと思って」


前を向くには良い時だった・・・。


「それにまだ若いんだし、良い恋しようと思って」


そこは嘘だったが、梓に心配かけないようおちゃらけて言っておく。


長い付き合いの梓である。多少の強がりは見ていて分かったものの・・・雪乃の前向きな姿が見れた事が嬉しくて、何も触れずおちゃらけて返しておく。


「そうだよ!!まだ若いんだから恋しなきゃ。合コンもどんどん誘うよ!!」


合コン女王の異名を持つ梓。


それには付き合いたくないなと・・・思いつつ雪乃はとりあえず頷いておく。


会話が途切れた同時に・・・インターホンが鳴った。

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