色をなくした世界
「ぶわはははは・・・・あんた面白いね」


笑った顔初めて見たなと雪乃が思って眺めていると、一馬と目が合う。


「あんた人に変わってるってよく言われない?」



その言葉に思い返してみれば・・・言われたような気もする。



「うーん?たまにですかね・・・普通だと自分では思うんですけどね?」


それよりも雪乃は靴下の方が気になった。


「靴下駄目でしたか・・・?」


心配そうに見れば、一馬は目を細めて笑っている。


(目を細めて笑う癖・・・和君みたい)


そんな事を考えていたせいか、一馬の話を全く聞いていなかった。


「聞いてる?」


頭を叩かれハッとする。目の前に一馬の顔があり、かなりビビった。


「すみません。聞いていませんでした」


悪びれる事もなく、大きな声で告げる雪乃に一馬もついつい大声になる。


「大声で威張るな!!」


確かに・・・と言葉に詰まる。すると一馬が雪乃に目線を合わせ、言葉を続ける。


「あの日は俺も悪かった。だから・・・・元気になって良かったよ」


その姿があまりに和哉にそっくりで雪乃は目を見張る。


「かず・・・」


そう言いかけ止める。
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